ましもと内科呼吸器科

呼気NO(一酸化窒素)検査

検査費用(保険3割負担の目安) 720

 この検査は、 10 秒ほど一定の速度で息を吐くだけ で行える、負担の少ない簡単な検査です。

検査の意義
 喘息の診断を助けるだけでなく、 治療に伴う炎症の改善を数値で確認できる ため、喘息コントロールの指標になります。

呼気NO 検査とは?
 ・私たちの気道(気管・気管支・肺の入口)は、炎症が起こると、 「一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)」というガスを多く作るようになります。
 ・特に アレルギー性・好酸球性の炎症(いわゆる“タイプ2炎症”)を伴う喘息では、息の中のNOが増えることが分かっています。
 ・呼気NO(FeNO)検査は、この 息の中のNOの濃度 を測り、「気道にアレルギー性の炎症がどのくらいあるか」を推測する検査です。

なぜNOが増えるの?(原理のイメージ)
①気道の炎症が起こる
 ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲンで気道に炎症が起こると、
炎症細胞(好酸球など) や気道の粘膜の細胞が活性化します。
➁NOを作る酵素が増える
 これらの細胞の中で、**NO合成酵素(iNOS)**がたくさん働き、L-アルギニンというアミノ酸からNOを大量に作るようになります。
③NOが気道の内側にしみ出してくる
 作られたNOは気道の内側(気道粘膜)に放出され、息を吐くときに、 少しずつ息の中に混ざって外へ出てきます
④息の中のNO量=気道炎症の強さの目安
 そのため、息の中に含まれるNOの濃さ(濃度)を測ることで、 気道のアレルギー性炎症の強さの目安になります。


Google Geminiで作成

判定の目安
 ・呼気NO 値が37ppb 以上の場合、特異度99%とされ、ほぼ間違いなく喘息と診断できます。
 ・ ただし、数値が低くても喘息を完全に否定することはできません。喘息のタイプによっては呼気NOが上昇しないこともあります。

呼気NOが「高くなりやすい」因子
 ・アレルギー体質(アトピー、アレルギー性鼻炎など)がある
 ・アレルギー性喘息・好酸球性炎症が強い時期
 ・花粉シーズン/ダニ・ホコリ/ペット(ネコ・イヌなど)への曝露が多いとき
 ・吸入ステロイド(ICS)を使っていない・自己中断している
 ・風邪や上気道炎などで気道に炎症があるとき
 ・硝酸塩を多く含む食品(葉物野菜、ビーツなど)やNO系サプリを摂った直後

呼気NOが「低くなりやすい」因子
 ・吸入ステロイド、内服ステロイドなどで炎症がよく抑えられている
 ・生物学的製剤(抗IgE・抗IL-5/4など)でタイプ2炎症が抑えられている
 ・喫煙(紙巻き・加熱式たばこ・電子タバコ)や受動喫煙がある
 ・激しい運動の直後
 ・検査直前の飲食(特に冷たい飲み物)で一時的に下がることがある

呼気NO高値イコール「重症喘息」ではない
 ・ 呼気NO(FeNO)は、 気道のアレルギー性・好酸球性炎症の強さの指標です。
 ・一方、一般に言う**喘息の重症度(軽症・中等症・重症)**は、
 発作の頻度、日常生活の制限、夜間症状、使用している薬の量・種類(ICS量など)、増悪(入院・救急受診など)の有無などを総合して評価します。
 ・そのため、 FeNO高値 = 重症喘息、 FeNO低値 =軽症喘息ではありません。
 ・相関があるのは「重症度」というより“炎症タイプ”と“ステロイド反応性”
  ①好酸球性・タイプ2炎症が強いほどFeNOは高くなりやすい
  血中好酸球増多、IgE高値、アトピー素因などを持つ患者さんでは、FeNOが高い傾向があります。
    吸入ステロイド薬への反応性と関係しやすい
  FeNO高値の患者さんは、 吸入ステロイド薬(ICS)がよく効きやすい (症状・肺機能の改善が得られやすい)ことが多いとされています。

咳喘息について
 ・喘息の中には、**咳だけを主な症状とする「咳喘息」**があります。
 ・咳喘息はぜーぜー・ひゅーひゅーといった気管支狭窄症状がない軽症の喘息ですが、呼気NOが高値であれば診断の助けになります。

👉 「咳が長引く」「他院で喘息と言われたが納得がいかない」という方は、この検査によって客観的な評価が可能です。