ましもと内科呼吸器科

お知らせ

インフルエンザの予防投与について

当院での予防投与の費用
 インフルエンザに対する予防投与は、健康保険の適用外(自費診療)です。
 1)オセルタミビル(タミフルの後発品)  4000円(消費税込み)
 2)リレンザ               5000円(消費税込み)
 3)イナビル               7000円(消費税込み)

インフルエンザの予防投与とは?

 インフルエンザ患者さんと濃厚に接触したあと、まだ症状が出ていない段階で、一定期間だけ抗インフルエンザ薬を内服・吸入して、発症や重症化のリスクを下げる方法です。

予防投与の対象者
 原則として「インフルエンザ感染者と共同生活を送っている(濃厚接触者)」であり、以下のハイリスク群に該当する方が推奨されています。
 ・65歳以上の高齢の方
 ・慢性の呼吸器疾患(喘息・COPD など)、心疾患のある方
 ・糖尿病などの代謝性疾患がある方
 ・腎機能障害がある方
 ・免疫抑制状態(抗がん剤治療中、ステロイド長期内服、臓器移植後など)の方

受験生や重要な仕事を控えている方などは対象外?
 薬の添付文書の「予防投与」の項目には、対象として「高齢者」「基礎疾患を有する者」等が列記されています。健康な受験生などはこれに含まれないため、医師の裁量による**適応外処方**という扱いになります。
 医師法上、医師が医学的判断に基づき、患者の同意を得て適応外薬を処方すること自体は禁止されていませんので、院長とご相談ください。

予防投与の実際(タイミングと期間)
1)開始時期
 インフルエンザ患者との最後の濃厚接触から 48時間以内の開始 が原則
2)投与の実際
 オセルタミビル
 オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間経口投与する。
 リレンザ
 ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入する。
 イナビル
 ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。
3)症状が出た場合
 予防投与中であっても、「発熱・咳・咽頭痛」などインフルエンザ様症状が出た場合は、ただちに予防目的から治療目的の投与(または別薬剤)へ切り替えが必要です。

予防投与の効果と限界
 ・100%発症を防げるわけではありません。
 ・きちんとしたタイミングで薬を飲み始め、決められた期間続けると、研究ではインフルエンザを発症する人をおよそ「7〜9割」減らせると報告されています。
 ・例えば、何もしないと 10人中2人くらい がインフルエンザを発症するような状況で、予防投与を行うと 10人中0〜1人程度 に抑えられるイメージです。
 ・効果が期待できるのは内服・吸入している期間中が中心で、服用終了後に発症するケースもあります。
 ・長期間・広範囲で安易に使うと、耐性ウイルスが増えるリスクが懸念されています。