お知らせ
新型コロナウイルス感染症について
1)新型コロナウイルス感染症の臨床像について
現在流行しているオミクロン株は感染性が非常に強力ですが、以前のように重症化する人の割合は減少しています。
ウイルスはまず鼻咽頭などの上気道に感染します。咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳嗽などの上気道症状に加えて、倦怠感、発熱、筋肉痛などの全身症状がよく見られ、これらはインフルエンザの症状に類似しています。臨床症状から新型コロナとインフルエンザを区別することは困難です。
咽頭痛はしばしば初発症状となり、嚥下困難を伴うこともあります。以前の株とは異なり、オミクロン株においては、嗅覚・味覚障害は多くはありません。
患者さんの多くは発症後約1週間で症状が軽快しますが、一部の患者さんでは何らかの症状が長期間残ることもあります。
2)当院での新型コロナウイルス感染症の診断について
当院では鼻腔からの抗原定性検査と唾液のPCR検査をしています。
検査は予約制ですので、まずはお電話をお願いします。
抗原検査はPCR検査より陽性率が若干落ちますが、15分以内に結果が判明するというメリットがあります。
PCR検査は当院では外注しますので、早くて翌日しか結果がわからず、抗原検査より自己負担額が高額になりますので、現在殆どしていません。
また、症状が出てから検査までの時間が短いと陽性にならないことがあり、翌日に再検査をお勧めすることもあります。
3)新型コロナウイルス感染症と診断された方へ
1 療養期間の考え方について
令和5年5月8日以降は、法律に基づく外出自粛は求められておりません。外出を控えるかどうかは個人の判断に委ねられます。その際、以下の情報を参考にしてください。
【外出を控えることが推奨される期間】
● 特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目(※1)として5日間は外出を控えることが推奨されます(※2)。
● 5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度経過するまでは、外出を控え、様子を見ることが推奨されます。
(※1)無症状の場合は検体採取日を0日目とします
(※2)こうした期間にやむを得ず外出する場合でも、症状がないことを確認し、マスクの着用等を徹底してください
【周りの方への配慮】
発症後1 0日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用したり、高齢者等ハイリスク者との接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。発症後1 0日を過ぎても咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクの着用など、咳エチケットを心がけましょう。
2 体調が変化した場合
療養中に体調が悪化し、医療機関への受診を希望される場合、まずは、かかりつけ医などにご相談ください。
※ 緊急性が高い場合には、119番に電話してください。
3 ご家族や同居されている方がいる場合
可能であれば部屋を分け、感染された方のお世話はできるだけ限られた方で行うよう注意してください。
その上で、ご家族や同居されている方が外出する場合は、新型コロナにかかった方の発症日を0日として、特に5日間はご自身の体調に注意してください。7日目までは発症する可能性があります。この間は、手洗い等の手指衛生や換気等の基本的感染対策のほか、不織布マスクの着用や高齢者等ハイリスク者と接触を控える等の配慮を行いましょう。
(参考)厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」 山口県「新型コロナ感染症関連情報ページ」
4)学校の出席停止について
新型コロナウイルス感染症にかかった場合、学校保健安全法第19条に基づき、出席停止の扱いとなります。
令和5年5月8日より出席停止基準が変更され、新型コロナウイルス感染症の場合は、
「発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで」
(軽快とは、解熱剤を使用せずに解熱し、かつ呼吸器症状が改善傾向にあること)と変更されました。
これにより、「発症した後5日を経過」かつ「症状が軽快した後1日を経過」の両方を満たすまでの期間は、登校することができません。
どんなに早く熱が下がったとしても、最低、発症後5日は出席停止になります。
熱が下がったり、症状が軽快した日によって、出席停止期間が延長していきます。(下表参照)
出席停止解除後、発症から10日を経過するまでは、マスクの着用をお願いします。
5)新型コロナウイルス感染症の治療薬(ラゲブリオ)について
新型コロナウイルス感染症の治療薬にはいくつかありますが、当院では院外処方箋でラゲブリオをお出ししています。
この薬はウイルスの細胞内での増殖を阻害することにより、入院や死亡のリスクを軽減させます。大きなカプセル(長さ21㎜、直径7.6㎜)を1回4カプセル、朝夕の2回、5日間内服します。大きなカプセルですのでどうしても飲めない方は、脱カプセル後、水に溶かして内服することもできます。
他の薬剤との併用や食事に関する制限がなく、腎機能障害や肝機能障害のある方でも使用できます。ただし、催奇形性が認められており、妊娠の可能性がある方や妊娠中の方は禁忌です。
主な副作用は下痢、吐き気、めまい、湿疹などです。
この薬は誰にでも処方できるわけではなく、18歳以上かつ発症後5日以内の人に限られます。その中でも、高齢者や基礎疾患などにより重篤化しやすい人が対象となりますが、非常に高価な薬(保険の1割負担の方で9430円、2割負担の方で18860円、3割負担の方で28290円)でもあり、患者様の御了解のうえでの御処方となります。