ましもと内科呼吸器科

かぜ

かぜとはどんな病気? 
 「かぜ症候群」と呼ばれ、鼻からのどまでの「上気道」に起こる急性の炎症の総称です

 「一つの病気」だと思われがちですが、実際には**「ウイルスによって引き起こされる、鼻・のどの症状のセット」**のことを指します。

1. 「かぜ」の正体
 ●場所: 鼻の穴から声帯(喉の奥)までの「空気の通り道」が戦場です。
 ●犯人: 80〜90%がウイルスです。
 ・ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス(従来型)、RSウイルスなど、原因となるウイルスは200種類以上あります。
 ・種類が多すぎるため、一度かかっても免疫がすべてのウイルスに対応できず、一生の間に何度もかかります

2. 主な症状
 ウイルスがどこに感染したかによって、メインの症状が変わります。
 ・鼻: くしゃみ、鼻水、鼻づまり(ライノウイルスなどに多い)
 ・喉: 痛み、イガイガ感、声枯れ(アデノウイルスなどに多い)
 ・気管: 咳、痰
 ・全身: 発熱(微熱が多い)、頭痛、だるさ

3. 治療の考え方
 風邪のウイルスそのものを退治する薬(特効薬)はありません。
 ・薬の役割: 「熱を下げる」「咳を鎮める」など、**辛い症状を一時的に抑える(対症療法)**だけです。
 ・治すのは自分: 最終的にウイルスを排除して体を治すのは、あなた自身の免疫力です。薬で体を楽にしつつ、栄養と睡眠をとって免疫が勝つのを待つのが「風邪の治療」です。


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かぜと急性上気道炎は同じ病気? 
 基本的には同じものです

 基本的には**「同じもの」と考えて差し支えありませんが、厳密には「正式名称(医学用語)」「通称(一般的な呼び方)」**かという違いがあります。

1. 呼び方の違い
 ・風邪(かぜ): 一般的な通称です。
 ・急性上気道炎: 医師がカルテや診断書に書く時の**正式な病名(医学用語)**です。

2. 言葉の範囲の違い(ここが少し細かい点です)
 厳密に言うと、「上気道炎」という言葉は、**「場所」**に注目した広い意味の言葉です。
 ・「上気道」とは: 鼻から喉(声帯)までの空気の通り道のこと。
 ・「上気道炎」とは: このエリアのどこかが炎症を起こしている状態の総称。

つまり、風邪(全体的に調子が悪い状態)を分解すると、以下のような具体的な炎症の組み合わせになります。これらをまとめて「上気道炎」と呼びます。
 ・急性鼻炎(鼻水・鼻づまり)
 ・急性咽頭炎(のどの痛み)
 ・急性喉頭炎(声がれ・咳)

3. 使い分けのイメージ
 医師は状況によって、これらを使い分けることがあります。
 ・「急性上気道炎(風邪)」と診断する場合: 鼻水も喉の痛みも咳もあり、**「全体的に風邪の症状が出ている」**とき。
 ・「急性咽頭炎」などと限定して診断する場合: 鼻水などはなく、**「喉の炎症だけが特にひどい」**ときなど、特定の場所の症状が目立つ場合。

4.まとめ
 **「風邪 = 急性上気道炎」**という理解で正解です。
 診断書に「上気道炎」と書かれていても、「何か特別な重い病気にかかったわけではなく、いわゆる風邪のことだな」と受け取っていただいて大丈夫です。

かぜに抗生物質は必要? 
 一般的なかぜに抗生物質は必要ありません ウイルスには抗生物質が効かないからです

 結論から言うと、一般的な風邪(感冒)に抗生物質は必要ありません。
 多くの人が誤解しやすい点ですが、その理由は「原因の違い」にあります。

1. なぜ風邪に効かないのか?
 ・風邪の原因は「ウイルス」: 風邪の80〜90%はライノウイルスやアデノウイルスなどの「ウイルス」感染によって起こります。
 ・抗生物質は「細菌」用: 抗生物質(抗菌薬)は、「細菌」を殺したり増殖を抑えたりする薬です。ウイルスには全く効果がありません。
 そのため、ウイルス性の風邪に対して抗生物質を飲んでも、早く治ることはなく、むしろ下痢などの副作用のリスクや、薬が効かない「耐性菌」を生み出すリスクだけを背負うことになってしまいます。

2. 抗生物質が必要なケースとは?
 医師が抗生物質を処方するのは、単なる「風邪」ではなく、「細菌」による感染が疑われる場合です。
 ・細菌による二次感染: 風邪をきっかけに免疫が落ち、後から細菌に感染してしまった場合(例:細菌性肺炎、細菌性気管支炎など)。
 ・風邪に似た別の病気: 症状は風邪と似ていても、原因が細菌である病気の場合(例:溶連菌による扁桃炎など)。
 ・色が濃い痰や鼻水が続く: 必ずしも細菌性とは限りませんが、黄色や緑色のドロドロした粘液が長期間続く場合、細菌感染の合併を疑う判断材料の一つになります。

3.基本的な対処法
 風邪(ウイルス感染)に対する特効薬はないため、基本は**「対症療法」「自然治癒」**です。
 ・解熱鎮痛剤や咳止めなどで辛い症状を和らげる。
 ・十分な水分と睡眠を取り、自分の免疫力でウイルスを排除するのを待つ。
 もし「ただの風邪だと思っていたが、長引いている」「高熱が下がらない」といった場合は、別の細菌感染症の可能性もあるため、再度受診することをお勧めします。

かぜなのに念のために抗生物質を飲むのは間違い? 
 基礎疾患のない健康な人であれば、お勧めできません 

 「早く治したい」「悪化させたくない」というお気持ちは痛いほど分かりますが、風邪(ウイルス性)に対して抗生物質を飲んでも、メリット(効果)はゼロであるのに対し、デメリット(害)だけを受けることになってしまうからです。

 その理由を3つのポイントで解説します。
1. 「予防」の効果はない
 「今はただの風邪だけど、肺炎にならないように今のうちに飲んでおこう」と考える方がいらっしゃいますが、抗生物質に「細菌感染の予防効果」はありません。
 ・抗生物質は、今そこにいる細菌を叩く薬です。
 ・将来やってくるかもしれない細菌を、あらかじめ防ぐバリアのような使い方はできません。

2. 副作用のリスク(体に負担をかける)
 抗生物質は強力な薬ですので、体に不要な負担をかけます。
 ・下痢・腹痛: 腸内の「良い菌(善玉菌)」まで殺してしまうため、お腹を壊しやすくなります。
 ・アレルギー: 発疹やかゆみ、ひどい場合はアナフィラキシーショックを起こすリスクがあります。
 治るスピードが変わらないのに、これらのお腹の不調などが上乗せされると、体力的にはさらに辛くなってしまいます。

3. 「耐性菌」を生み出す(最大のデメリット)
 これが最も恐ろしい点です。 不必要な抗生物質を使いすぎると、細菌が学習して**「薬が効かない菌(耐性菌)」**に進化してしまいます。
 ・いざという時に効かなくなる: 将来、本当に肺炎や膀胱炎、あるいは大きな手術が必要になった時に、「どの抗生物質も効かない」という命に関わる事態を招く恐れがあります。
 ・自分だけの問題ではない: 生まれた耐性菌は、家族や周囲の人にも感染する可能性があります。

なぜ「飲んだら治った」気がするのか?
 よく「抗生物質を飲んだら次の日に良くなった」という経験談を聞きますが、これは多くの場合**「たまたま自然に治るタイミングと、薬を飲んだタイミングが重なっただけ」**です。
 風邪は日にち薬で治る病気ですので、薬を飲まなくてもそのタイミングで良くなっていた可能性が高いのです。


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(例外1)慢性呼吸器疾患などをお持ちの方は早めの抗生物質が必要になる場合があります
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支拡張症、肺線維症などの持病がある方は、例外です。
 風邪をきっかけに、肺に住み着いた細菌が悪さをして急激に悪化する**「急性増悪(きゅうせいぞうあく)」**を起こすリスクがあります。
 ●このような時はすぐ受診を:
 ・普段より息苦しい
 ・痰(たん)の量が急に増えた
 ・痰の色が**「黄色」や「緑色」**に変わった
 これらは細菌感染のサインです。重症化(肺炎など)を防ぐため、早めに抗生物質を使用する判断を行います。

(例外2)糖尿病、透析中、抗がん剤や免疫抑制剤使用中、慢性心臓病などでも早めの抗生物質が必要になる場合があります

最初は「かぜ」または「かぜ」と思われたのに、その後抗生物質が必要になる「細菌感染」のサイン(症状の特徴)について教えて 
 治りかけたのに、なぜ悪化? それはかぜではなく、「細菌」の仕業かもしれません

 一般的な風邪(ウイルス)と、抗生物質が必要な「細菌感染」を見分けるのは医師でも検査が必要なことがありますが、**「私たち自身が気づけるサイン」**として、以下の3つの特徴的なパターンがあります。
 もしこれらに当てはまる場合、細菌感染を疑って受診を検討する目安になります。

1. 「ぶり返し」がある(二峰性の発熱)
 これが最も分かりやすいサインです。
 ・風邪(ウイルス): 最初に熱や喉の痛みが出て、3〜4日目をピークに徐々に良くなっていく「一山」の経過をたどります。
 ・細菌感染の疑い: 一度良くなりかけたのに、数日後に再び急に熱が上がったり、喉の痛みや咳が激しくなったりする場合です。
 これは、弱った体に後から細菌が入り込んだ(二次感染)可能性が高いサインです。

2. 「期間」が長すぎる
 ・風邪(ウイルス): 通常、1週間〜10日程度でほとんどの症状が軽快します。
 ・細菌感染の疑い: 10日以上経っても症状が改善しない、あるいは悪化している場合。
 例:黄色や緑色のドロドロした鼻水が10日以上続く(細菌性副鼻腔炎の疑い)。

3. 「局所(ピンポイント)」の症状が強烈
 ウイルス性の風邪は、喉、鼻、咳、熱など「全体的に調子が悪い」のが特徴ですが、細菌感染は「特定の場所」に強い炎症を起こすことが多いです。
 A. 喉の痛みが強烈だが、咳・鼻水はない
 ・疑われる病気:溶連菌(ようれんきん)感染症など
 「唾を飲み込むのも激痛」というほど喉が痛いのに、咳や鼻水はほとんど出ないのが特徴です。
 鏡で喉を見ると、扁桃腺(のどちんこの両脇)に**白い苔(膿)**のようなものが付いていることがあります。

 B. 頬や目の奥が痛い・顔を叩くと響く
 ・疑われる病気:細菌性副鼻腔炎(蓄膿症)
 風邪の後に、ドロドロの鼻水とともに頬や目の周りに痛みが出たり、頭を下げると顔が痛んだりする場合です。

 C. 片方の耳だけ激しく痛む
 ・疑われる病気:急性中耳炎
 風邪の後に、耳の奥がズキズキ痛む場合。特に子供に多いですが、大人でも起こります。

 D. 激しい咳と色の濃い痰・息苦しさがある 
 ・疑われる病気:細菌性肺炎(さいきんせいはいえん) 風邪(上気道炎)が悪化し、細菌が喉を通り越して奥の「肺」まで入り込んだ状態です。
 単なる咳ではなく、黄色や緑色、時には鉄サビ色のドロドロした痰が出るのが最大の特徴です。
 また、肺自体が炎症を起こしているため、「ハアハア」と息苦しくなったり(呼吸困難)、深呼吸や咳をすると胸の奥がズキズキ痛むことがあります。 ※風邪だと思って様子を見ていても、38℃以上の高熱が続き、咳と痰がどんどんひどくなる場合はこの可能性が高いです。


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「ウイルス性(かぜ)」か「細菌性」かを判断する簡単な血液検査を教えて 
 白血球(WBC)とCRP(炎症反応)は非常に重要な指標です

 医師が血液検査で「ウイルス性(風邪)」か「細菌性」かを判断する際、**白血球数(WBC)CRP(炎症反応)**は非常に重要な指標です。
 これらはあくまで目安であり、絶対的なものではありませんが、一般的な**「区別のポイント(傾向)」**を解説します。

1. 白血球数(WBC)の動き
 白血球は、体に入ってきた敵と戦う「兵隊」です。敵の種類によって、動員される兵隊の数や種類が変わります。
 ・細菌性の場合: 増加する(10,000/μLを超えることが多い)
 細菌は強力な敵なので、体は大量の兵隊(白血球)を送り込みます。
 ・ウイルス性の場合: 正常範囲内、または減少する
 ウイルス感染では、白血球数はあまり増えないか、逆にウイルスによって破壊されて減ることがあります。

【重要】「内訳」が最大のヒント
 白血球の「総数」だけでなく、その**内訳(分画)**の変化がより決定的な判断材料になります。
 ・好中球(Neut)が増える → 細菌性の疑い(細菌を食べる部隊)
 ・リンパ球(Lymph)が増える → ウイルス性の疑い(ウイルスを攻撃する部隊)

2. CRP(C反応性タンパク)の動き
 CRPは、体の中で炎症や組織の破壊が起きているときに肝臓で作られるタンパク質です。
 ・細菌性の場合: 高くなりやすい(5〜10mg/dL以上になることも)
 細菌感染は組織を壊す力が強いため、炎症反応が強く出ます。
 ・ウイルス性の場合: 低いまま、または軽度上昇(1〜2mg/dL程度まで)
 一般的な風邪(ライノウイルス等)では、CRPはほとんど上がりません。
 ※ただし、アデノウイルス(高熱が出る風邪)などは例外的にCRPが高くなることがあります。


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医師が注意している「落とし穴」
 検査数値を見る際、医師は以下の点も考慮しています。
 1.CRPの「タイムラグ」
 CRPは、熱が出てから半日〜1日遅れて上昇します。
 「高熱が出た直後」に検査をしてCRPが低くても、「炎症がない」とは断定できません(まだ上がっていないだけの可能性があるため)。
 2.高齢者の反応の鈍さ
 高齢の方は、重症の肺炎でも白血球やCRPがあまり上がらないことがあるため、数値だけで安心はできません。
 3.マイコプラズマなど
 細菌とウイルスの中間のような病原体(マイコプラズマなど)は、白血球は増えないのにCRPだけ少し上がる、といった独特な動きをすることがあります。


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かぜ、インフルエンザ、新型コロナはどう違うの? 
 「発症のスピード」と「全身症状の強さ」に注目

1. 風邪(かぜ)
 ●キーワード:「局所(鼻・のど)」と「ゆっくり」
 ●特徴:
 ・くしゃみ、鼻水、喉の痛みなど、「首から上」の症状が中心です。
 ・熱が出ても37℃台の微熱で済むことが多く、全身の関節が痛くなることはあまりありません。
 ・「なんとなく喉が変だな」から始まり、徐々に鼻水が出るなど、経過が緩やかです。

2. インフルエンザ
 ●キーワード:「全身」と「急激」
 ●特徴:
 ・最大の特徴は**「スイッチが入ったように急に具合が悪くなる」**ことです。「今日の昼までは元気だったのに、夕方急に寒気がして39℃出た」というような発症の仕方をします。
 ・ウイルスが全身で暴れるため、関節痛・筋肉痛・全身のだるさが強く出ます。
 ・「風邪かな?」と迷う暇もなく、辛くて動けなくなることが多いです。

3. 新型コロナウイルス(現在主流の株)
 ●キーワード:「多様性」と「強い喉の痛み」
 ●特徴:
 ・現在はオミクロン株などの変異により、症状がインフルエンザや風邪に近づいています。
 ・**「喉が焼けるように痛い」「唾も飲み込めない」**という強烈な喉の痛みを訴える方が多いのが最近の特徴です。
 ・発熱は個人差が大きく、高熱が出る人もいれば、微熱で終わる人もいます。
 ・以前ほどではありませんが、「味がしない」「においが分からない」という症状が出れば、コロナの可能性が高まります。


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かぜをひきました 「朝一番が最も喉が痛く、日中になると楽になる」のはなぜ? 
 主な原因は、寝ている間の「喉の乾燥」と「炎症物質の停滞」です

1. なぜ朝方に一番痛むのか?
 寝ている間は、起きている時とは違う環境になるため、喉へのダメージが蓄積しやすくなります。
 ・口呼吸による乾燥: 風邪で鼻が詰まっていると、寝ている間に無意識に口呼吸になりがちです。鼻呼吸なら鼻の機能で空気が加湿されますが、口呼吸だと乾燥した冷たい空気が直接喉の粘膜を直撃し、カラカラに乾いて炎症が悪化します。
 ・唾液の減少: 睡眠中は、喉を守ってくれる「唾液」の分泌量が激減します。これにより、喉の粘膜を保護・修復する力が弱まり、ウイルスや乾燥のダメージを直接受けやすくなります。
 ・後鼻漏(こうびろう): 仰向けで寝ていると、鼻水が喉の奥に垂れ落ちて溜まりやすくなります(後鼻漏)。この鼻水が長時間喉の粘膜に触れ続けることで、炎症や痛みを引き起こします。

2. なぜその後、徐々に痛みが取れてくるのか?
 起きて活動を始めると、喉の環境が改善されるため、痛みが和らぎます。
 ・乾燥が解消される: 水を飲んだり朝食をとったりすることで、喉の粘膜が物理的に潤います。
 ・唾液が出る: 起き上がって話をしたり食事をして顎を動かすと、唾液の分泌が再開されます。唾液に含まれる成分が粘膜を保護し、修復を助けてくれるため、痛みが徐々に落ち着いていきます。
 ・血流の改善: 活動することで全身の血流が良くなり、体温も上がるため、喉の組織の巡りも改善されます。

3.今夜からできる対策
 翌朝の痛みを少しでも減らすには、寝ている間の「保湿」がカギになります。
 ・寝る時のマスク: 自分の息で保湿できるため、非常に効果的です(濡れマスクなら尚良し)。
 ・加湿器: 寝室の湿度を50〜60%程度に保ちます。
 ・枕元に水分: 目が覚めたらすぐに一口飲めるよう、水を置いておくと良いでしょう。

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