ましもと内科呼吸器科

息切れ

最近、階段を上がるとき、息切れがあります。肺の病気でしょうか。

 階段や坂道での息切れは、まず肺の病気を考えますが、原因は肺以外にも多岐にわたります。
 放置せず、原因を特定して適切に対処することが大切です。

【息切れの主な原因】
 ・ 肺:肺炎、気管支喘息、COPD(肺気腫)、間質性肺炎、気胸、胸水、肺がん、肺血栓塞栓症 など
 ・ 心臓:心不全、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、不整脈、弁膜症 など
 ・血液・内分泌:貧血、甲状腺機能亢進症 など
 ・神経・筋疾患:筋萎縮性側索硬化症ALS、横隔神経麻痺、筋ジストロフィー、脊柱側弯症など
 ・体力低下、肥満

【画像で分かりやすい病気/検査で診断する病気】
 ・胸部X線やCTで見つけやすい:肺がん、胸水、間質性肺炎、気胸 など
 ・検査を組み合わせて診断する:COPD(肺気腫)、慢性の気管支喘息 など
  → スパイロメトリー(肺機能検査)や呼気一酸化窒素(FeNO)検査が有用です。

【受診の目安】
 次のいずれかに当てはまる場合は受診をご検討ください。
 ・息切れが2週間以上続く/日常生活や仕事に支障がある
 ・夜間や早朝に悪化する、喘鳴(ゼーゼー)、長引く咳・痰を伴う
 ・喫煙歴がある、呼吸器や心臓の持病がある、高血圧・糖尿病・脂質異常がある
 ・新しく運動を始めてから急に悪化した、体重減少や発熱を伴う

【すぐに救急受診を考えるサイン】
 ・突然の強い息切れや胸痛、冷汗、青白い顔色/口唇が紫色になる
 ・体を動かしていなくても苦しい、会話が続かない、SpO₂が明らかに低い
 ・片脚の腫れ・痛み+急な息切れ(肺血栓塞栓症が疑われます)
 ・血痰・喀血を伴う

【当院で可能な初期評価】
 1)問診・診察(生活歴・喫煙歴・服薬・アレルギー・既往歴を含む)
 2)バイタル測定(血圧・脈拍・SpO₂)と聴診
 3)胸部X線、胸部CT
 4)心電図(心不全・不整脈・虚血の評価)
 5)採血:貧血・炎症・甲状腺(TSH, FT4)・BNP(心不全の指標)、D-ダイマー(肺血栓塞栓症の指標)など
 6)肺機能検査(スパイロメトリー)
 7)呼気NO(FeNO)検査(気道の好酸球性炎症=喘息の目安)
 必要に応じて、専門科へ迅速に紹介します。