閉塞性睡眠時無呼吸SAS 睡眠時無呼吸症候群OSA
睡眠時無呼吸症候群SASと閉塞性睡眠時無呼吸OSAは同じもの?
日常会話ではほぼ同じ意味 しかし、厳密には「イコール」ではありません
一般的には同じ意味で使われることが多いですが、医学的には「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という大きな病気のカテゴリーの中に、「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」が含まれています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、原因によって主に以下の2つに分類されます
1.閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
・特徴: 喉の奥が塞がることで呼吸が止まるタイプ。
・割合: 患者さんの9割以上がこのタイプです。
・主な原因: 肥満、顎が小さい、扁桃腺肥大など。
・治療: CPAP(シーパップ)療法やマウスピース、外科手術などが検討されます。
2.中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
・特徴: 脳からの呼吸指令が出なくなるタイプ(気道は塞がっていません)。
・割合: 全体の数%と稀です。
・主な原因: 心不全や脳卒中などの病気に伴って起こることが多いです。
・治療: 基礎となる心臓や脳の病気の治療、在宅酸素療法、ASV(人工呼吸器の一種)などが検討されます。

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なぜ混同されやすいのか?
世間一般で「睡眠時無呼吸症候群」と言われる場合、その**9割以上が「閉塞性(OSA)」**であるため、実務上や日常会話ではほぼ同じ意味で使われることが多いです。
しかし、医療的な診断においては、原因が「喉の塞がり(物理的)」なのか「脳の指令(機能的)」なのかで治療方針(CPAPの調整や外科手術の検討など)が変わるため、区別することが重要になります。

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閉塞性睡眠時無呼吸OSAとはどんな病気?
放置しないで「いびき」と「日中の眠気」
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)について
いびき、寝ている間の呼吸停止、起床時のだるさや頭痛、日中の強い眠気・集中力低下、夜間頻尿、居眠り運転などがあると、OSAが疑われます。
OSAは特に肥満傾向の中年男性に多く、女性も閉経後に増えることが知られています。

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1.どのくらい多い病気?
2019年の推計では、日本の中等症以上のOSAは約940万人とされています。一方で、代表的な治療であるCPAPを実施している方は2020年時点で約64万人と報告され、未治療の方が多い現状です。

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2.なぜ起こるの?(原因)
睡眠中に上気道(のど)が狭く/ふさがることで、呼吸が弱まったり止まったりします。
背景として、**肥満に伴う上気道周囲の脂肪沈着、小顎(下顎が小さい)、扁桃肥大、舌が大きい(巨舌)**などの体質・解剖学的要因が関わります。

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3.体への影響(何が心配?)
OSAでは、低酸素と睡眠分断が繰り返され、
・高血圧、心不全、心房細動、虚血性心疾患、脳卒中などの心血管・脳血管疾患のリスク上昇、
・2型糖尿病・インスリン抵抗性との関連、
・日中の眠気による作業・運転事故のリスク増加、
・認知機能低下や抑うつとの関連

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4.次のステップ
症状や体型などからOSAが疑われる場合、まずは自宅での簡易検査(睡眠中の呼吸と酸素の流れを測定)を行い、必要に応じてポリソムノグラフィー(PSG)で詳しく評価します。
治療はCPAPのほか、マウスピース(口腔内装置)、減量・禁酒/節酒・体位療法、鼻疾患の治療や手術など、患者さんの状態に合わせて選択します。

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閉塞性睡眠時無呼吸OSAの簡易検査について教えて
あなたの眠りを数値化する まずは自宅での簡易検査から始めませんか?
簡易検査(簡易モニター)とは?
睡眠時無呼吸症候群(OSA)の疑いがある場合、最初に行うスクリーニング検査です。 入院の必要はなく、専用の検査機器をご自宅に持ち帰っていただき、いつも通り寝ている間に検査を行います。
【この検査の特徴】
・自宅で検査可能: 入院の必要がなく、普段の枕やベッドでリラックスして検査ができます。
・痛みがありません: センサーを指や鼻につけるだけで、体に針を刺したりすることはありません。
・健康保険が適用されます: 3割負担の方で、約3,000円です。
どのような機器をつけるの?
小さな記録装置に、呼吸や酸素の状態を調べるセンサーがついています。就寝前にご自身で装着していただきます(操作は簡単です)。
1.鼻のセンサー(カニューラ): 鼻からの空気の流れ(呼吸ができているか)を感知します。いびきの音も測定します。
2.指のセンサー(プローブ): 血液中の酸素飽和度(SpO2)と脈拍を測定します。無呼吸による酸素不足をチェックします。

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検査の流れ
・問診・診察 日中の眠気やいびきの有無などを伺い、検査の必要性を判断します。
・機器のお渡し 宅配便で検査機器をお送りします。
・ご自宅で検査(2晩) 就寝時に機器を装着し、朝起きたら外します。ボタンを押すだけで記録が始まります。
・機器の返却・解析 宅配便で機器を返却してください。データを解析し、診断を行います。
・結果説明 約1〜2週間後に再度受診していただき、結果をご説明します。

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検査結果の見方(AHI:無呼吸低呼吸指数)
検査結果は、1時間あたりに10秒以上の、無呼吸(呼吸停止)や低呼吸(呼吸が浅くなる状態)が何回あったかを示す数値「AHI」で判定されます。
1時間当たりの無呼吸数と低呼吸数を合わせたものを、無呼吸低呼吸指数(AHI)と言いますが、この値が5以上の場合、睡眠時無呼吸症候群と診断します。
無呼吸低呼吸指数5-15が軽症、15-30が中等症、30以上が重症とされています。

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閉塞性睡眠時無呼吸OSAの治療(①生活習慣の改善②持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)③歯科装具)について教えて
人生の3分の1を変えれば、起きている時間がもっと輝く OSA治療の重要性
治療としては、1)生活習慣の改善、2)持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)、3)歯科装具による治療、4)手術があります。
1)生活習慣の改善
減量や、飲酒の制限、禁煙、睡眠薬の制限などにより、睡眠時の無呼吸が改善します。
仰向けで寝るよりも、横向きで寝ると上気道の閉塞を軽減できる場合があります。
抱き枕などを使って横向きで寝る工夫をしてみるのも良いでしょう。

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68歳 男性 抱き枕が著効した症例
無呼吸低呼吸指数6.8と軽症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんです。しかし、睡眠時間の31%を占める仰臥位では無呼吸低呼吸指数は18.2と高く、中等症の睡眠時無呼吸症候群レベルであり、仰臥位以外の体位(睡眠時間の69%)では無呼吸低呼吸指数は1.7と正常範囲でした。
(ウォッチパット300からのデータ)
この患者さんの簡易検査の一部を示します。左側臥位から仰臥位に体位を変えた直後から、いびきとともに無呼吸・低呼吸が出現し、酸素飽和度の低下や脈拍の増加が確認されました。それまで深い睡眠状態であったにもかかわらず、その後は覚醒反応(目覚め)が頻繁にみられるようになりました。
以上の結果から、仰臥位での睡眠が問題である(体位依存性睡眠時無呼吸)ことが判明しました。

そこで抱き枕の使用を勧めたところ、夜間覚醒が減少し、熟睡感が得られ、起床時の爽快感も改善し、さらに日中の眠気も消失しました。
その後、抱き枕を使用した状態で再検査を行ったところ、仰臥位の睡眠時間に占める割合は31%から16%へ減少し、それに伴い無呼吸低呼吸指数(AHI)は6.8から4.0へ正常化しました。
2)持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)
一般にCPAP(シーパップ)療法と言われ、Cotinuous Positive Airway Pressureの略で、日本語では持続陽圧呼吸療法と呼ばれています。
一定圧を加えた空気を、鼻から送り込むことによって、上気道の閉塞を取り除き、睡眠中の気道を確保する非常に有効な治療法です。原則毎月の受診が必要で、3割負担で5000円程度かかります。
中等から重症の睡眠時無呼吸症候群にはこの治療が第一選択になります。しかし、この治療法を施行するには下記のような条件が付きます。
●自宅での簡易検査で、無呼吸低呼吸指数が40以上の場合:無条件で持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)が可能です。
●自宅での簡易検査で、無呼吸低呼吸指数が40未満の場合:睡眠状態をトータルにみる検査(ポリソムノグラフィーPSG)が必要となり、次の2つの方法があります。
①専門施設での一泊入院検査(3割負担で4~5万円)
②在宅での検査(3割負担で11,250円)

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3)歯科装具による治療
マウスピース(スリープスプリント)を作製して、下あごを前方に引き出して空気の通りを良くするものです。マウスピースの作製は歯科で行い、健康保険が適応されますが(3割負担で、1万円から1万5000円程度)、医科から歯科への紹介状が必要です。



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(山口県医師会 健康教育テキスト No. 41 睡眠時無呼吸症候群より引用)
一般に軽症の睡眠時無呼吸症候群が適応になりますが、CPAPを続けることが難しい患者さんに対して使用することもあります。
マウスピースは軽症例で高い治療効果がありますが、中等症や重症例でも有効な場合があります。

(山口県医師会 健康教育テキスト No. 41 睡眠時無呼吸症候群より引用)
マウスピースに伴う副作用として、噛み合わせの変化、歯や歯茎の痛み、あご関節の痛み、歯の移動などがあります。
4)手術による治療
気道閉塞の原因が扁桃腫大などの特殊な場合に限られます。
持続性陽圧呼吸療法(CPAP療法)の効果について教えて
翌朝のすっきり感から、将来の命を守る効果まで
CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の標準的治療法です。適切に使用することで、睡眠の質を改善するだけでなく、将来的な重篤な病気を防ぎ、長生きにつながることが証明されています。
1. すぐに実感できる効果(生活の質の向上)
治療を開始したその日から、多くの方が劇的な変化を実感されます。
・熟睡感とスッキリした目覚め
呼吸が止まらなくなるため、深い睡眠がとれるようになります。「朝、体が軽い」「久しぶりにぐっすり眠れた」という声を多くいただきます。
・日中の眠気の解消
睡眠不足が解消され、日中の強い眠気や集中力の低下が改善します。仕事のパフォーマンス向上や、居眠り運転事故の防止につながります。
・いびきの消失
気道が確保されるため、周囲の方を悩ませていた大きないびきが止まります。
・夜間頻尿の改善
心臓への負担が減ることでホルモンバランスが整い、夜中にトイレに起きる回数が減少します。

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2. 将来の命を守る効果(長期的予後の改善)
SASは放置すると、心臓や血管に負担をかけ続け、寿命を縮めることが分かっています。しかし、CPAP療法を続けることで、そのリスクを回避できます。
●健康な人と変わらない「生存率」へ
国内外の多くの研究データにより、SASを放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まり、生存率が低下することが分かっています。しかし、CPAP療法を適切に行うことで、健康な人と同等の生存率まで改善することが実証されています。

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●合併症の予防・改善
睡眠中の酸素不足と血管へのストレスを解消し、以下の病気のリスクを下げます。
・高血圧の改善(特にお薬が効きにくい早朝高血圧に有効)
・脳卒中、心筋梗塞、心不全の発症・再発予防
・糖尿病のコントロール改善
3.治療効果を最大限に引き出すために
CPAP療法は「メガネ」と同じように、装着している間だけ効果を発揮する治療法です。 将来の健康を守るためには、**「毎晩の使用」と「1日4時間以上」**の装着が目安とされています。慣れるまで時間がかかることもありますが、マスクの調整などで快適に使えるようサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
閉塞性睡眠時無呼吸OSAの外科的治療について教えて
CPAP療法が合わない方・根本治療をご希望の方へ
はじめに
閉塞性睡眠時無呼吸OSAの治療といえば、CPAP(シーパップ)療法やマウスピースが一般的ですが、患者様の喉や鼻の構造(形)が原因である場合、手術による治療が有効な選択肢となることがあります。
手術が検討される主なケース
手術はすべての方に推奨されるわけではありません。主に以下のような方に検討されます。
・扁桃腺(へんとうせん)が大きく、物理的に気道を塞いでいる方
・鼻中隔湾曲症や肥厚性鼻炎など、鼻づまりがひどくCPAPの使用が困難な方
・顎の骨格に特有の問題がある方
・CPAP療法がどうしても合わず、継続が難しい方
代表的な手術の種類
閉塞性睡眠時無呼吸OSAの手術は、主に「鼻」「のど」「あご・神経」へのアプローチに分けられます。
1. 鼻の手術(鼻腔を広げる)
鼻づまりが原因で無呼吸が悪化している場合や、鼻づまりのせいでCPAPが装着できない場合に行われます。
・鼻中隔矯正術(びちゅうかくきょうせいじゅつ): 曲がっている鼻の仕切り(軟骨や骨)をまっすぐに整えます。
・粘膜下下鼻甲介骨切除術(ねんまくかかびこうかいこつせつじょじゅつ): アレルギーなどで腫れ上がった鼻の粘膜や骨を減量し、通りを良くします。
ポイント: 鼻の手術だけで無呼吸が完治することは稀ですが、**「鼻呼吸が楽になる」「CPAPが快適に使えるようになる」**という大きなメリットがあります。
2. のどの手術(気道を広げる)
のどの空間を広げることで、空気の通り道を確保します。
・口蓋扁桃摘出術(こうがいへんとうてきしゅつじゅつ): 肥大した扁桃腺を取り除きます。特にお子様の無呼吸治療では第一選択となることが多いです。
・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP): のどちんこ(口蓋垂)やその周囲の粘膜を一部切除・縫合し、のどを広げます。
注意点: 劇的に改善する方もいれば、効果が限定的な方もいます。適応に慎重な判断が必要です。
3. 新しい治療法(舌下神経電気刺激療法)
※CPAPが使用できない重症の患者様向け
ペースメーカーのような小型の機器を鎖骨付近に埋め込み、睡眠中に舌を動かす神経(舌下神経)を電気刺激します。これにより舌が前方に動き、気道が塞がるのを防ぎます。
・対象: 重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群で、CPAPが継続できない方など、特定の基準を満たす場合に保険適用となります。

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手術療法のメリット・デメリット
治療方針を決定する前に、メリットだけでなくリスクについても十分にご理解いただくことが大切です。
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在宅での睡眠時無呼吸症候群の精密検査(ポリソムノグラフィーPSG)ついて教えて
病院に泊まる必要がありません ご自宅が「睡眠ラボ」になる 新しい精密検査のカタチ
PSGとはPolysomnography(ポリソムノグラフィー)の略です。
「poly(ポリ)=多くの」、「somno(ソムノ)=睡眠」、「graphy(グラフィー)=記録」、つまり 「睡眠中のさまざまな生体情報を同時に記録する検査」 という意味です。
この検査では睡眠中の呼吸状態、いびき、動脈血酸素飽和度、脈拍数、体位、体動、脳波などを記録します。
今までは入院してPSG検査を行っていましたが、在宅でも可能となりました。
在宅PSG検査は、入院で行われていた内容に匹敵する情報が得られ、この検査で無呼吸低呼吸指数が20以上などの条件をクリアすれば持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)の対象となります。
日本睡眠総合検診協会の資料から引用
在宅PSG機器(Sleep PROCORDER60)の実際の装着について

説明書と動画在宅PSG検査(日本睡眠総合検診協会)を見ていただければ、装着は決して難しくはありません。
SpO2(酸素)センサは利き手でない方に付けます。
脳波・眼球運動、筋電、イビキ、鼻呼吸、SpO2、脈拍数、体動・体位・呼吸努力が測定できます。
在宅PSG検査と入院PSG検査の比較

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